セクターローテーションとは
以前、「セクター」について書きました。セクターについてよく分からない方はまずそちらからご覧ください。
市場には、相場サイクルやシーズナリティがあります。同じようにセクターにも、景気や金利の変動など様々な要因によってトレンドが変わります。下記の図は11のセクターを大まかにサイクル順に並べたものです。
これは完全に決まっている順番というわけではなく、マーケットがどういう状況の時に、どのセクターが強みを持ってくる傾向があるのかが大体わかります。その時のマーケットの状況によって当然これらは変化してきます。以前、お話した「相場サイクル」も参考に覧ください。
市場と経済の動き
市場は常に実体経済の先を見た動きが反映されています。よって実体経済は市場より後から追ってくるイメージになります。下記の図は市場と実体経済の動向を図にしたものになります。
ご覧の通り、赤い部分が市場の動きです。黄色の部分が実体経済の動きです。このように実体経済は市場よりも後から追ってきます。図左下のマーケットボトムからブルマーケット(強気相場)に移行している時は、実体経済は不景気真っ最中です。市場がマーケットトップ(ピーク)を迎えた頃に、ようやく景気が良化してきます。
同様に、マーケットトップ(ピーク)からベアマーケット(弱気相場)に移行している時、実体経済はようやく好景気を迎えます。
このように市場と実体経済にはタイムラグがあるという事を知っておいて下さい。
図の上部の青い部分は、セクターを金利と市場の動きに合わせて配置してみました。これも必ずこうなるということではなくて、こういう傾向があるという視点で見てください。景気などさまざまな要因の状況によって変化します。
今どこの部分にいるのかを知ることが重要
今どこ辺りにいるのかが分かれば、今買うべきセクターの株が予想しやすく、今買うべきではないセクターの株も見えてきます。そして、今が分かれば次に来るセクターも予想しやすいという事になります。
では、どうやって「今がどこ」なのかを知ることができるのか。簡単なのは経済ニュースを常日頃から見ていれば少しずつ見えてきます。経済ニュースみて「FOMCによる金利が~」とか「景気が~」、「企業業績が~」などヒントになる情報は自然に出てきます。
専門家のように難しい指数とか引っ張り出して分析までする必要はないです。サボらず観察のアンテナは常に張っておけば、売買タイミングの出遅れを阻止できると思います。買いタイミングの出遅れはまだいいとしても、売却タイミングを逃すと、損切するか損失抱えたまま長期ホールドする羽目になりかねません。
こういうセクターローテーションのような変化は、スイッチのオンオフの様に瞬間的に切り替わるものではなく、徐々に徐々に変化していきます。経済ニュースなどの日々の情報から、経済の動向を敏感にキャッチして、あなたが考える「今」がどの辺になるのかを常に調整していく必要があると思います。
個別株だけでなくETFを活用しよう
セクターローテーションに合わせて、便利な投資先としてETFがあります。ETFであればセクターローテーションに合わせた投資が簡単にできます。同時にリスクも個別株より抑えられていて安心できます。もしあなたが人気のハイテク株は詳しいから個別で買っていたけれども、エネルギーとかヘルスケアとか詳しくなかったとしたら、無理に個別株を探さなくてもETFを活用すればいいと思います。