12月FOMCまとめ
市場予想通り25bpの利下げが決定し、レンジで4.25%~4.50%となりました。
今回のステートメントは前回から大きな文言の変更はありませんでした。
敢えて取り上げるなら「 In considering the extent and timing of additional adjustments to the target range for the federal funds rate,」の部分に「the extent and timing」が追記されました。訳すと「FFレートの目標レンジの追加調整の程度とタイミングを検討する際には、」。これは、利下げペースの鈍化の可能性が高まったと見ることができと思います。
下記は現在のFRBの経済予想、金融政策予想の中央値です。前回からの変化は下記の通り。
※原文はこちら
2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 以降 | |
実質GDP | 2.0 → 2.5 | 2.0 → 2.1 | 2.0 → 2.0 | 2.0 → 1.9 | 2.0 → 1.8 |
失業率 | 4.4 → 4.2 | 4.4 → 4.3 | 4.3 → 4.3 | 4.2 → 4.3 | 4.2 → 4.2 |
PCE | 2.3 → 2.4 | 2.1 → 2.5 | 2.0 → 2.1 | 2.0 → 2.0 | 2.0 → 2.0 |
PCE Core | 2.6 → 2.8 | 2.2 → 2.5 | 2.0 → 2.2 | 2.0 → 2.0 | N/A |
FFレート | 4.4 → 4.4 | 3.4 → 3.9 | 2.9 → 3.4 | 2.9 → 3.1 | 2.9 → 3.0 |
FFレートに注目してみると、前回の予想値よりもかなり上方修正されています。利下げペースは鈍化し金利は高止まりする見立てのようです。
PCEも大きな変化が。25年の予想値が2.1%→2.5%に上方修正。インフレは予想していたよりも長引く予想に。インフレ再燃の可能性もあるかもしれません。
失業率は現在4.2%。25年には4.3%になる予想。殆ど変わりません。
全体的に株価には逆風です。為替もドル高になりやすいでしょう。
下記はパウエル会見のコメント
- 経済活動は堅調なペースで拡大している
- 労働市場は堅調を維持している
- 労働市場の下振れリスクは減少したと思う
- インフレ率の上昇に伴い、25年の政策金利の見通しが高水準になった
- 更なる緩和策を検討する際、より慎重になる可能性がある
- 景気は本当に良い状態にあり、政策も良いと考えている
- 金利引き下げ鈍化の影響は、今年と来年のインフレ上昇によるもの
- 今回の新予測の最大の要因は、インフレ率の上昇
- コア・インフレ率が来年、予想通り2.5%まで低下すれば大きな前進と思う
- 景気後退の可能性が通常より高いと考える理由はない
- 住宅インフレは着実に低下している
- 目標の2%に到達するには、ここからさらに1年か2年かかるかもしれない
- 賃金は健全で持続可能な水準にある
- 地政学的混乱は依然としてリスクとなっている
金利予想状況
現在の政策金利は4.25%~4.50%です。
全体が底上げされました。政策金利は”高く”、”長く”なる予想です。
金利/日程 | 1月29日 | 3月19日 | 5月7日 | 6月18日 | 7月30日 | 9月17日 | 10月29日 | 12月10日 |
4.50-4.75 | ||||||||
4.25-4.50 | ↑90.3% | ↑56.0% | ↑48.4% | ↑35.8% | ↑32.4% | ↑26.5% | ↑23.7% | ↑20.9% |
4.00-4.25 | ↓9.4% | ↓40.2% | ↓42.3% | ↑43.9% | ↑43.2% | ↑41.2% | ↑39.6% | ↑37.7% |
3.75-4.00 | ↓17.5% | ↓19.9% | ↓24.2% | ↓26.0% | ↓27.6% | |||
3.50-3.75 | ||||||||
3.25-3.50 | ||||||||
3.00-3.25 |