リーマンショックを彷彿させるSVB問題
9日、シリコンバレー銀行(SVB)が増資失敗で身売り交渉という報道がなされて、株価60%安となる。
きっかけは、2020年ごろの金融緩和で資金調達バブルが起こる。
スタートアップ企業から流入した預金を元に米国債や住宅ローン担保証券などに投資。
FRBによる急激な利上げによる金利が上昇し保有債券の含み損が膨張。金利と債券の基本的な動きですね。(金利が上がれば債券価格は下がる、金利が下がれば債券価格は上がるというシーソーの関係)
預金はどんどん引き出されていくのでSVBは増資とポートフォリオの売却可能有価証券を売却
この報道を受けて株価60%以上下落
10日、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下で預金保護。身売り交渉に入ると報道、あさっり破綻
これは米国で過去10年で最大の破綻であり、米国史上2番目に大きな銀行破綻ということになる。
SVBは主にスタートアップ企業を顧客に持つが、SHOP、PINS、CRWDなどもSVBの顧客である。
きれいにまとめきれてないですがざっくりこんな感じです。
来週もこの話題で持ちきりだと思います。この後どうなるのか追っていきたいところです。色々と展開早すぎですね。
2月雇用統計結果
■非農業部門雇用者数
311k(結果) vs 207k(予想)
517k(前回)■失業率
3.6%(結果)vs 3.4%(予想)
3.4%(前回)■平均時給
[前月比]
0.2%(結果)vs 0.3%(予想)
0.3%(前回)[前年比]
4.6%(結果)vs 4.7%(予想)
4.4%(前回)
雇用は予想を超える良くない結果となりました。
雇用は相変わらずレジャー、サービス、小売り、ヘルスケアの分野が大きく牽引しており、逆にテクノロジー、製造、金融業は減少している。予想を大きく超え労働市場の堅調さが伺える。
一方、失業率が上がったことはインフレに明るい兆しではあるものの、まだまだ低水準。人手不足な状況は変わりないとみる。
平均時給は前月比で下がったことは良いが、前年比では前回よりも上昇しており依然パンデミック前よりも高い。
個人的には、FRBはいくらインフレを退治したいからと言ってもできれば利上げを”加速””したいとは思っていないはず。つい数か月前に”減速”したばかりで、ここで加速することになれば減速した判断は間違っていたことになる。先日のパウエルの議会証言での「利上げ加速の可能性」発言については、いざそうなっても市場へのインパクトを軽減させる為の発言だと思うので、次のCPIがまちまちな結果くらいであれば我慢して25bpsで行くのかなと思ってます。今の状況だと五分五分って感じです。
パウエル議長発言
3/7~8の議会証言でのパウエルの発言をいくつか下記にまとめておきます。
・我々は利上げペースを加速する用意がある
・最終的な金利水準が想定より高くなる可能性がある
・インフレ率を長期的に2%に戻すために政策金利の継続的な引き上げが適切
・インフレ率を2%に戻すには住宅を除くコアサービスのインフレ率の低下と労働市場の軟化が必要
・最近の経済データのインフレ圧力は予想以上に強かった
・インフレ率の低下にはまだ長い道のりである
・3月会合についてまだ何も決定していない
・金融政策の効果が表れるにはタイムラグがある
最近出てきているインフレデータをみればこれらの発言は当然なわけで割と想定内であったと思います。逆にハト派寄りな発言だったほうが荒れたのではと思いました。そして、3/7の市場はこれに反応し為替はドル/円でドルが上昇、株式は3指数下落。
利上げ予想状況
先週から現時点の利上げ予想推移です。
現在の政策金利は4.50%~4.75%です。
今後の注目点としては利上げピークと利下げの時期はいつかに注目されると思います。
先週との変化は今年の3月、5月は若干上昇気味程度で、また年内に利下げが行われる予想に変わりました。この辺はころころ変わるので来週のCPI発表後にも結果次第で変化は起きそうです。
金利/日程 | 3月22日 | 5月3日 | 6月14日 | 7月26日 | 9月20日 | 11月1日 | 12月13日 | 1月31日 | 3月20日 | 5月1日 |
5.75-6.00 | ||||||||||
5.50-5.75 | ↓19.9% | ↓20.6% | ↓16.7% | |||||||
5.25-5.50 | ↑42.8% | ↓48.8% | ↑48.4% | ↑42.8% | ↓33.0% | ↓19.3% | ||||
5.00-5.25 | ↑42.5% | ↓56.1% | ↑30.8% | ↑30.1% | ↑33.7% | ↑37.1% | ↑34.6% | ↓23.9% | ||
4.75-5.00 | ↓57.5% | 0.0% | ↑16.4% | ↑29.1% | ↑33.0% | ↑25.9% | ||||
4.50-4.75 | 0.0% | ↑23.7% | ↑30.9% | ↑23.5% | ||||||
4.25-4.50 | ↑20.3% | ↑30.6% | ||||||||
4.00-4.25 | ↑22.5% |