FRBが実施した銀行ストレステスト結果と今週のインフレ指標

時事ネタ

5月PCE結果

■PCEデフレータ
[前月比]
0.1%(結果) vs 0.2%(予想)
0.4%(前回)

[前年比]
3.8%(結果) vs 3.8%(予想)
4.4%(前回)



■PCEコアデフレータ
[前月比]
0.3%(結果) vs 0.3%(予想)
0.4%(前回)

[前年比]
4.6%(結果) vs 4.7%(予想)
4.7%(前回)

 

インフレ率が軟化してきている結果となりました。

FRBが最も注目している指数がこのPCEですが、前回と比べて大分下がりました。コアはまだまだ高止まりといったところで、4.6~4.7%を行ったり来たりを約半年続けていますが、FRBの2023年内予測値(PCE:3.2%、Core:3.9%)に少し前進しました。 そして、FRBは予定通り25bpsの利上げは行うと思います。

現在のFRBの経済予想、金融政策予想を確認したい人はこちら

実質GDP(2023Q1)

■実施GDP(確報値)
[前月比]
2.0%(結果) vs 1.4%(予想)
1.3%(前回改定値)

 

予想を大きく超え、改定値から大幅な上方修正となりました。

主に個人消費と輸出が上方修正されたことが、この数字を押し上げました。米国経済は良い回復力を保っており、今年景気後退が始まる可能性は後退するソフトランディングの見方も増えてきている様子です。

しかし、意見は割と真っ二つに割れている印象で大きなリセッションが来る意見もまた多い。

季節性アノマリーとしては7月は株価は上がりやすく、9月に下がりやすい傾向があるので夏の間までは株価は上昇しやすいかもしれません。

 

FRBが実施した銀行ストレステスト

■結果
全23行すべてが深刻な景気悪化時のシナリオ化でも自己資本比率の最低基準を上回る。
$540Bの損失がでても家計や企業への貸出継続するのに十分な資本を有していることが示されました。

■シナリオ
・失業率が10%に到達
・商業用不動産価格が40%下落
など

銀行破綻が相次いでいましたが、銀行システムの健全性を示された結果でした。しかし、中小銀行は対象になっていませんでした。このあたりは金利が上昇していくと厳しさを増すことだと思います。

レポート原文(2023 Federal Reserve Stress Test Results)はこちら

金利予想状況

現在の政策金利は5.00%~5.25%です。

FRBは年内にあと2回の利上げを示唆していますが、市場予想は下記の通りで、利上げは1回となっており、利下げ開始時期がどんどん後退してきています。きっともっと後退していくことになるでしょう。

金利/日程 7月26日 9月20日 11月1日 12月13日 1月31日 3月20日 5月1日 6月19日 7月31日
5.50-5.75 0.0% ↑19.1% ↑32.3% ↑28.9% ↑19.7%
5.25-5.50 ↑86.8% ↑70.6% ↑55.2% ↑52.3% ↑43.6% ↑31.2%
5.00-5.25 ↓13.2% ↓10.3% ↓7.7% ↓13.6% ↓28.0% ↑36.1% ↑32.1% ↑24.1%
4.75-5.00 ↓17.3% ↓32.7% ↑32.4% ↑25.9%
4.50-4.75 ↓14.7% ↓22.9% 30.4%
4.25-4.50 ↓19.7%
4.00-4.25
3.75-4.00

 

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