消費者物価指数(CPI)
■CPI | |
[前年比] 8.6%(結果) vs 8.3%(予想) 8.3%(前回) |
[前月比] 1.0%(結果) vs 0.6%(予想) 0.3%(前回) |
■CPIコア | |
[前年比] 6.0%(結果) vs 5.9%(予想) 6.2%(前回) |
[前月比] 0.6%(結果) vs 0.4%(予想) 0.6%(前回) |
予想を超え、インフレが全然抑えられていない悪い結果になりました。FRBはこの結果により更に強気でインフレ退治に向かう姿勢になる可能性がありますので、株式市場には全く良くない状況です。
2年債利回りが急上昇し、追う様に5年、10年債利回りも上昇
5年/10年、5年/30年での両方で逆イールド発生しました。
・02年 3.06%(+8.6%)
・05年 3.25%(+6.1%)
・10年 3.15%(+3.6%)
・30年 3.19%(+0.9%)
そして3指数とも大幅下落
・DOW -2.8%
・S&P500 -3.1%
・NASDAQ -3.3%
利上げ予想状況
先週から現時点の利上げ予想推移です。CPIが発表された後に75bpsの利上げ確率が一気に上昇しました。一時45%位まで上昇したのですが今は少し落ち着いてます。現時点ではまだ50bpsが既定路線ですが、9月は75bpsの確率が一番高くなっています。
FOMC日程/利上げ幅 | 25bps | 50bps | 75bps | 100bps |
6月15日 | 0% | 99.3% → 96.4% | 3.6% | 0% |
7月27日 | 0% | 89.5% → 80.0% | 19.4% | 0.6% |
9月21日 | 32.2% → 0% | 61.0% → 41.6% | 48.5% | 9.6% |
FOMCは来週6月15日(水)です。それまでの数日間にも色々動きがあるかもしれません。
当日はいつものように会見(LIVE)で気になる発言があればツイッターで流しておきます。
家計負債総額過去最高を記録
クレジットカードの残高が$841Bに急増。最近のガソリン、食料品、住宅など生活必需品の価格高騰により多くの消費者は再びクレジットカードに頼るようになっている。また自動車ローン、学生ローン、住宅ローンと合わせて、家計の負債総額を過去最高$15.84Tにまで押し上げた。https://t.co/kIihJRDTSW
— まっか@米国株投資 (@maccainvestor) June 9, 2022
コロナ禍では支出が減り現金預金が増え、家計の負債は減ってましたが、今ではインフレの影響でクレジットカードの利用が増えています。
一つのパターンとして、徐々に消費が抑えられ、店舗の在庫は過多となり(すでに過多気味・・)、物流需要は減り(すでにコンテナの動きは悪い)、そして企業は儲からない→給料上がらない→消費悪い、という事が始まるのだろうと思います。アナリストの見通しだと2023年初めごろにリセッション(景気後退)となる見通しをしている意見が目立ってます。またはスタグフレーションは不可避という見方も強いです。
エネルギー価格の見通し
■原油価格
現在のインフレの原因の一つとしてこの原油価格の上昇があげられますが、先日シティとバークレイズは「イラン核合意の更新の大幅な遅れ」と「EUによるロシアへの原油制裁」を理由に原油価格の見通しを上方修正しました。
■天然ガス価格
US天然ガス価格のファンダメンタルズは強気を維持。
平年よりも高い気温による冷房需要が促進され、次の冬に使用される予定だった供給が減少し逼迫を招いていることが原因。またアジアのLNGバイヤーは既に冬場の出荷確保に追われており、価格上昇につながる可能性がある。 既にインドは冬場のLNGカーゴを高価格で購入し、 韓国と日本は買い増しを検討しているようです。
そんな中、6/8にテキサス州フリーポートLNG施設(輸出ターミナル)の爆発事故が起き、最低3週間の操業停止となる模様。この影響で米国天然ガス価格が二日間で一時-15%位下落($9.6→$8.0)し、欧州の天然ガス価格は一時+13%上昇しました。
その他記録
■アトランタ連銀 GDPNow
Q2の成長率(年率換算)を下方修正 1.3%→0.9%
■為替(USD/JPY)
20年振り134円を記録
他国は急激な円安を望んでいないのでそろそろ頭打ちも考えられるが、もし150円まで円安が続けばアジア金融危機(1997年)以来の円安となる
■ガソリン価格
$4.986(高値記録更新中)