FOMCステートメントではハト派
予定通り+75bpsの利上げ決定され、これで4回連続0.75%の利上げとなりました。
リリースされたステートメントの中身をみると
「今後の引き上げペースを決定するにあたり、これまでに行ってきた累積的な金融政策、インフレに影響を与えるラグ、経済・金融情勢を考慮する予定」
という一文がありました。
これまでの強気一辺倒ではなくハト派な印象を受けました。株価もこれにより上昇しました。
ところが会見にて
いつも通り30分後にパウエルの会見が始まりました。
その時の目立ったコメントを書き出しておきます。
インフレを引き下げることに固くコミットしている
しばらくの間、制限的な政策スタンスが必要となる
米国経済は昨年より大幅に減速している
需要は供給を上回っている
ある時点で利上げを減速させるのが適切
長期的なインフレ期待は安定している
最終的な金利水準は、これまでの予想より高くなる
利上げ減速させる時期は、次の会合に来るかもしれない
政策効果のラグに伴う不確実性が大きい
我々は実質金利を見る、実質金利がプラスになるような政策金利にしたい
12月に利上げ減速の議論をする可能性がある。実際に利上げ減速する時期は早ければ12月か2月の会合になるかもしれない、まだ決定していない
最近のインフレデータは、また予想を上回っている
利上げ一時停止を考えることは非常に時期尚早
引き締めが不十分だと、インフレが定着する可能性がある
引き締め不足とか緩めすぎという失敗は避けたい
労働市場は未だ過熱しており、求人率も思ったほど減っていない。賃金は下降というよりは横這いである。労働市場の過熱が収まる兆候を探しているが特に目立つものはない
インフレが減少している兆候はない
ソフトランディングは未だ可能だと思っている、だが難しい
ステートメントの印象とは違い、ご覧の通り会見ではタカ派寄りな印象でした。
”インフレはまだまだ減速をみせない
労働市場もタイトのまま
インフレデータも予想を超えている
最終的な金利は予想よりも超えるかもしれない” と、まだまだやる気まんまんをみせつつも、
12月の会合では利上げ減速の議論を行うことも明言されていました。
これまではインフレデータが悪いのなら、利上げはガンガン行うと戦う姿勢をみせていましたが、
今回はインフレデータが悪くても、利上げ減速を12月に議論して実際にそれを近々行っていくことを示唆しているように感じました。
株価はS&P500(-2.5%)、NASDAQ100(-3.5%)程度の下げになりました。