6月FOMCまとめ
本日、市場予想通り利上げはされず、レンジで5.00%~5.25%のままキープとなりました。
今回のステートメントの文書内容は、前回ステートメントから大きな変更はありませんでした。
下記は現在のFRBの経済予想、金融政策予想の中央値です。※3月時からの変化
※原文はこちら
2023 | 2024 | 2025 | 以降 | |
実質GDP | 0.4 → 1.0 | 1.2 → 1.1 | 1.9 → 1.8 | 1.8 |
失業率 | 4.5 → 4.1 | 4.6 → 4.5 | 4.6 → 4.5 | 4.0 |
PCE | 3.3 → 3.2 | 2.5 → 2.5 | 2.1 → 2.1 | 2.0 |
PCE Core | 3.6 → 3.9 | 2.6 → 2.6 | 2.1 → 2.2 | N/A |
FFレート | 5.1 → 5.6 | 4.3 → 4.6 | 3.1 → 3.4 | 2.5 |
一番最初に目に付いたのが、FFレートが2023年に+50bps、2024年に+30bpsの上昇をしていること。これは今回は一時停止したが、25bpsの利上げは年内に2回はあると考えてよいと思います。
ドットチャートの3月時と今回の比較がこちら。全体的に上昇しているのがわかります。
Fed ‘dot plot’ shows interest rates rising twice more in 2023, peaking at 5.6% https://t.co/AN0hfLbu04 pic.twitter.com/FjLcsaRuhI
— Yahoo Finance (@YahooFinance) June 14, 2023
また、失業率も4.5→4.1に減っています。GDPは1.0に上昇。FRBは年内のリセッションは無いと予測しているように感じます。
下記はパウエル会見のコメント
- インフレ率2%に強くコミットしている
- 金融引締めの効果はまだ実感していない
- ほぼ参加者の全員が、今年の追加利上げを妥当と見ている
- 労働市場は依然として非常に強い
- インフレ率を2%に戻すには、長い道のりがある
- インフレはやや緩やかになって来ているが、インフレ圧力は引き続き高い
- インフレを抑えるには、トレンドを下回る成長率、労働市場の緩和が必要
- 我々は今後もミーティングごとに意思決定をしていく
- 7月の会合はライブミーティングになると思う
- 今年のインフレ率低下に関する予測には、住宅インフレ率の低下が大きく含まれることになる
- インフレ率低下のプロセスは緩やかなものになると思う
- サプライチェーンの状況は引き続き改善している
- コアサービスのディスインフレは初期の兆候に過ぎない
- 常識的に目標が近づくにつれ、ペースを遅くしていくもの
- 利上げのスピードの問題は、金利の水準の問題とは別である
- 6月の休止を「スキップ」と呼ぶべきではない
- FFレートがどこまで上がるか、前もって確信が持てない
- インフレのリスクは上向きだ
- Core PCEの進展はあまり見られない
- インフレ率が横ばいになり、軟化するのを見れば引き締めが効いていることがわかるだろう
- PCEインフレ率の低下はとても重要
- 住宅は底を打ち少し上昇すると見ているが、家賃や住宅価格が急速に上昇することはない
- インフレの定着は許されない
- ソフトランディングへの道筋はあると思っている
- 労働市場が堅調で徐々に冷え込めば、ソフトランディングの助けになる
- 利下げは2,3年先の話だ
- 今年の利下げを書き記した人は一人もいない
- コアインフレについて、我々が望むような進展は見られていない
- FRBは銀行システムを注意深く監視している
金利据え置きとしたもののステートメントと会見を見る限り少しタカ派であり、継続してインフレ率2%目標を強く掲げています。現時点では年内の追加利上げはほぼ確実とされ、1回なのか2回なのかというところは注目したいところ。FRBはブレーキをかけているところであり、緩やかにペースダウンしている様子と伺える。
利上げはまだ先の話だとコメントしてますが、市場が楽観的に利下げを予想しているだけでこれまでもFRBとしては一度も利下げについて示唆していませんし、利下げできるような状況に見えません。
しかし、追加利上げをするには大きな不安材料が残っていると考えます。住宅市場(ローン購入者)、大きくお金を借りてビジネスをしている会社、そして債券の含み損が多い銀行には大きな影響があります。これ以上金利が上がると今必死で持こたえている銀行の中から破綻が出てくるリスクもあります。
株価のほうは、FOMCステートメント発表後にFFレートの上昇を受け下落。しかしその後株価は戻ってきて概ね大きな変化のない終値となりました。
金利予想状況
現在の政策金利は5.00%~5.25%です。
今月のFOMCでは利上げは一時停止し、7月に追加利上げが起こなわれる予想は継続しています。そしてようやく年内の利下げ予想は無くなりました。
金利/日程 | 7月26日 | 9月20日 | 11月1日 | 12月13日 | 1月31日 | 3月20日 | 5月1日 | 6月19日 | 7月31日 |
5.50-5.75 | ↓0.0% | ↓11.4% | ↑10.6% | ↑8.3% | |||||
5.25-5.50 | ↑63.2% | ↑58.1% | ↑55.1% | ↑45.2% | ↑28.8% | ↑14.3% | |||
5.00-5.25 | ↑35.0% | ↓29.0% | ↓30.9% | ↓36.2% | ↑40.2% | ↑33.4% | ↑15.0% | ||
4.75-5.00 | ↓21.3% | ↑32.7% | ↑33.4% | ↑22.5% | |||||
4.50-4.75 | ↑32.0% | ↑32.8% | 24.1% | ||||||
4.25-4.50 | ↓24.7% | 31.6% | |||||||
4.00-4.25 | 22.4% | ||||||||
3.75-4.00 |