リセッション入りとは
リセッション(景気後退)も実はちゃんと定義されています。全米経済研究所(NBER)という非営利民間組織(政府公認)が判断します。
そして、景気判断材料として実質GDPや下記の4つの主要指標を使います。
・実質個人所得(移転所得を除く)
・非農業部門雇用者数
・実質小売売上高
・鉱工業生産
下記はリセッションについてチャールズ・シュワブの記事から抜粋したものです。
・インフレ率上昇、金利引き上げ、サプライチェーン問題、クライナ戦争などにより景気後退の懸念が高まっている
・市場の激しい変動、消費者心理の悪化、所得の伸びに対する下押し圧力はすべて景気の減速を示唆している
・GDPが縮小したからといって、必ずしも不況が始まるとは限らない
・投資家は引き続きエネルギー圏に注目すべき。今年の商品価格の急騰は、過去の不況と一致している。インフレ調整後の原油価格は24ヶ月平均を50%以上上回っており、これは歴史的に不況に先行する動きである
・先行する経済指標の動向は、サイクルの変曲点に近づくにつれて重要な注目点となる
・株式市場と経済指標の関係では、「Good/Bad」よりも「Better/Worse」のほうが重要視される傾向にある
FOMC議事録
FOMC(5/4)の議事録が出ました。特にサプライズ無しでした。FOMCで既出された情報通りなので割愛します。
FOMC議事録
参加者の多くが次の数回の会合で50bpsの利上げが適切だと判断https://t.co/XxFkBAm2uw— まっか@米国株投資 (@maccainvestor) May 25, 2022
利上げ予想状況
先週の利上げ予想値と現時点の予想値を比較してみました。6月、7月は大きく変化なしです。9月は結構ぶれていて25bpsと50bpsが毎週入れ替わってます。
6月:50BPS(+0.50%)の利上げする確率 92.3% → 92.5%
7月:50BPS(+0.50%)の利上げする確率 87.6% → 86.7%
9月:50BPS(+0.50%)の利上げする確率 49.8% → 37.3%
25BPS(+0.25%)の利上げする確率 56.1%
金利上昇の影響を受ける住宅市場
■4月新築住宅販売
591K vs 749K(予想)(-16.6% 前月比)
かなり悪い結果となりました。住宅市場は金利に敏感なセクターであり金利上昇の影響がモロに出た結果となりました。リセッションへの先行セクターと言っても良いと思います。この結果を見て住宅市場では既に「リセッションが始まった」とも言われ始めています。
ついでに補足情報として、非銀行系金融機関の第1四半期の住宅ローンオリジネーション(住宅ローン組成)数は推定41%減(前年同期比)であり、2022年の住宅ローン取扱高は37%減の見込みとのことです。
そんな中5/26(木)には30年住宅ローン金利が5.25%から5.10%に低下しましたが、要経過観察といったところです。
その他記録
■米国GDP(改定値)
-1.5%(結果) vs -1.3%(予想)
前回:-1.4%
■4月個人所得(前月比)
0.4%(結果) vs 0.5%(予想)
前回:0.5%
■4月個人支出(前月比)
0.9%(結果) vs 0.8%(予想)
前回:1.4%
■4月卸売在庫(前月比、速報値)
2.1%(結果) vs 2.0%(予想)
前回:2.7%
■PCE(前年比)
6.3%(結果) vs 6.2%(予想)
前回:6.6%
■PCEコア(前年比)
4.9%(結果) vs 4.9%(予想)
前回:5.2%
全体的に概ね予想通りでした。
■今週のマーケット
全体的に反発しました。木、金曜だけで指数は+約6%となりました。
利上げはまだ控えてますし、このような乱高下がずっと続いているので警戒しながら見ておきたいところです。
来週月曜日(5/30)は米国市場はお休みです。